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歯の矯正はいつから?就学前編【ドクターコラム】
- 2025/3/10
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福岡の小児歯科医院「医療法人 元気が湧く 子どもの歯科」の近藤嘉人先生による「こんどーせんせいのこどもはスゴイ!」。今回は気になる子どもの歯科矯正についてお伺いしました。
保健所や保育園、幼稚園、就学前検診を含めて小学校などで受ける歯科健診の結果、お子さまの歯並びを指摘されたら、どう考えたらいいでしょうか。ここでは、就学前までの矯正についてお話しします。
歯並びと原因
多く指摘されるのは『上顎前突(じょうがくぜんとつ)』です。上の前歯が下より大きく前にある咬み合わせのことで、原因別に上顎がより前に成長する「骨格性」と、前歯の生える方向の「歯槽(しそう)性」とに分かれます。指摘割合が多い、下の歯が上の前歯に隠れてしまう『過蓋咬合(かがいこうごう)』は「骨格性」上顎前突です。
次に多いのは『下顎前突(反対咬合)』です。上の前歯が下の前歯より内側にある咬み合わせのことで、下顎がより前に成長する「骨格性」と、前歯の生える方向の「歯槽性」とに分かれますが、就学前に「骨格性」とわかることは多くありません。
『開咬(かいこう)』と指摘されることもあります。上の前歯と下の前歯が上下に重ならない咬み合わせのことで、「歯槽性」がほとんどです。
『叢生』そうせい、と読みます。くさむらのように密集して生えている咬み合わせで、永久歯が生えると多く見かけます。日本人の特徴ですが、顎が小さい、というよりも歯が大きいのが原因の「歯槽性」が多いようです。
「骨格性」の治療方針
基本的に成長を抑えることはできませんので、上顎前突でも下顎前突でも「骨格性」の場合、成長が終わる頃、またはすべての永久歯が生えてくる頃までは、様子を見るのが原則。ただし反対咬合では成長期に上顎の成長を促すことがあります。
「歯槽生」の治療方針
指しゃぶりや舌を前に出す、下唇を吸うなどの癖が原因の『上顎前突』『下顎前突』『開咬』と、歯が大きいことが原因の『叢生』とで治療方針が分かれます。
癖が原因の場合、まずはしないよう本人に気をつけてもらいます。難しい場合は、永久歯の前歯が生える前までに、マウスピースや固定装置を始めることもあります。いずれも、根気強く続けること、そしてご家族の協力が大切になります。
『叢生』では永久歯に生え変わる時期に顎も成長して歯並びが改善することがよくあるため、ある程度永久歯の前歯が生えるまで様子を見ます。
具体的な方針は個別に異なります。歯の数が少ないなど他に心配な点についても、かかりつけ歯科医院を受診して矯正について相談してください。
お話を聞いたのは
医療法人 元気が湧く こどもの歯科
近藤嘉人先生
福岡市南区大橋3-1-1 大橋プラザ2F