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小さな息子2人を抱え私はシングルマザーになった…絵本『こんとあき』を通した親子の絆|絵本の日アワード2023年受賞作
- 2024/2/10
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リトル・ママ編集部も審査に参加した「絵本の日アワード 絵本とあなたのエピソード部門2023」(主催:絵本と図鑑の親子ライブラリー ビブリオキッズ)。たくさんの感動エピソードの中から、リトル・ママ世代にもぜひ読んでほしい「元気が湧く賞」の作品を紹介します。
授賞式にまつわる素敵な後日談も、記事の後半でご紹介しています。
2023年「元気が湧く賞」受賞作品
『こんとあき』
受賞者:H.Yさん(仙台市)
小さな息子2人を抱え私はシングルマザーになった。必ず3人一緒に絵本を読むのが夜寝る前のルーティン。まだ幼い次男をおんぶし小さかった長男と手を繋ぎ、町の小さな図書館へよく通った。
絵本の中で「お父さん」その言葉が出てくると、どうしても言葉に詰まる。「お父さん居なくてごめんね」そう思うと我慢していた涙が溢れてくる。枕元の電気の薄明かりの中、息子達に気づかれないよう…涙を必死に抑える私の姿を幼い長男はいつから気が付いていたのだろう。
ある日「かあちゃんこれ! もう泣かないよ」と図書館の本棚から選んできたのが『こんとあき』。その息子の顔を見た時もう泣かない!と心に決めた。頭を撫でると得意げな顔で笑う長男の顔は今でも忘れていない。
私が「こん可愛いねー」と言うと「かあいいねー」と笑う長男。その横でまだ小さな次男も声を出す。「いたいいたい とでけー」と覚えたての言葉で、電車のドアに挟まったコンのしっぽの絵を長男が撫でると次男も一緒に触ろうと手を伸ばす。そして、こんの口ぐせの「だいじょうぶ だいじょうぶ」は、いつしか「かあちゃんダイジョブ ダイジョブ」へと進化し長男の口ぐせとなった。その言葉に私は何度励まされた事だろう。
その後、その絵本を購入し何度も読んだ。その絵本は私たちの宝物だったが、あの津波で流されてしまう。あれから年月が過ぎ私の脳裏からは遠のいていた。
22歳になった長男から先日、写真付きのラインが届いた。「図書館で見つけた! 覚えてる? なつかしー」の文章と『こんとあき』の表紙の写真。
「かあちゃんダイジョブ ダイジョブ」と言ってくれた幼い長男の姿が浮かぶのと同時に涙が溢れる。涙で目の前がかすむ中「覚えてるよ! ダイジョブ ダイジョブ」と返信、息子からは「そうそう笑」3人で過ごしたあの時を今でも覚えていてくれたのかと思うと、嬉しくて再び涙が溢れた。
『こんとあき』 作/林明子
福音館書店
授賞式でのエピソード
仙台市で自営業をされているという受賞者の箱石さん。最初に受賞の連絡をした際は、お仕事の都合で授賞式への出席を辞退されたそうです。
しかし翌日、「昨日の件、出欠の変更はもう遅いですか」と、改めて出席を伝える連絡が。
実は息子さんに受賞の話をしたところ、「行くべきだよ。ぼくも一緒に行くから」と言われたとのこと。福岡市で行われた授賞式には、エピソードにも登場する22歳の長男さんと一緒に出席されました。小さな頃と変わらず、今もお母さんを支える優しい方だったそうです。
絵本の日アワード in FUKUOKA 2024作品募集中!
「絵本の日アワード」とは?
福岡市南区の絵本と図鑑の親子ライブラリー「ビブリオキッズ」が、11月30日の「絵本の日」と“絵本の魅力”、“絵本のチカラ”を広めるために創設。毎年11月下旬には授賞式も開催しています。
応募要項
【対象絵本】 これまでに出版された絵本なら古くても結構です。
【応募者】18歳以上の方ならどなたでも応募できます。
【作品文字数】 800字以内
【応募期間】 2023年12月1日(金)~2024年6月30日(日)必着
【入賞者賞品】
・最優秀作品賞(1名)図書カード5万円
・優秀作品賞(3名)図書カード1万円
・館長特別賞(1名)図書カード3万円
※これまでに応募したことのないエピソードに限ります。(当法人へ応募作品の編集再応募は可能です。)
※第三者の著作権・プライバシー権などの権利を侵害した作品は、応募できません。
※応募作品は、未発表のものに限ります。
※応募作品は入賞の如何に限らず、作品の紹介、出版に関する著作権は医療法人元気が湧くに帰属するものとします。
応募作品をまとめた書籍も販売中!
『絵本はホスピタリティの宝箱-エピソード33』
医療法人元気が湧く/編
かもがわ出版
「絵本にまつわるエピソード」33編を収録。サヘル・ローズさん、矢部太郎さん、白崎映美さんの特別寄稿エッセイも。
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/a/1240.html
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