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妊娠前に知ってほしい!先天異常を招くサイトメガロウィルスの母子感染について
- 2022/10/27
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サイトメガロウイルス(CMV)は世界中のいたるところにいる、ありふれたウイルスです。
お腹の中の胎児であればお母さんから、赤ちゃんであれば母乳から、子育て中のお母さんや保育士さん、幼稚園教諭の方であれば子どもの唾液や尿に触れて、そして若年層は性行為によっても感染します。日本では成人の半数以上がすでに感染し免疫を持っているといわれています。
提供:株式会社エディハス
記事監修:ひばりが丘こどもクリニック 院長 吉岡幹朗
北海道札幌市:サイトメガロウイルス抗体検査&ワクチン接種治験モニター募集中
サイトメガロウイルスはどうやって感染する?
先にお話した通り、サイトメガロウイルス(CMV)は世界中のいたるところにいる、ありふれたウイルスです。通常であれば自然に感染し、風邪程度の症状があって終わることがほとんどです。
ところがCovid-19のパンデミックにより外出や集団行動の機会が減少し、未感染の若年層が増えていると言われています。
若年層の感染経路としてはセックスによるものもあり、コンドームを使う事が主に勧められています。また、唾液を介しても感染しますのでオーラルセックスでも危険です。
どんな人が感染したら困る?
妊娠中の初感染が問題と言われていますが、残念ながら妊婦健診でCMV抗体(感染したことがあるかどうか)を調べている自治体や医療機関は非常に少なく、ほとんどの妊婦さんが知らないまま過ごしていることが多いのが現状です。
勿論若年層も調べることは通常行いません。CMV感染を疑う症状(発熱や倦怠感、首のリンパの腫れなど)があれば、その際に調べることもあります。
これまでにCMVに感染した事がない妊婦さんは特に注意が必要です
子どもも大人も健康であれば感染しても全く問題はないのですが、妊婦さんが初めて感染した場合や妊婦さんの免疫力がひどく低下した場合は、お腹の中の赤ちゃんへの感染(垂直感染)が危ぶまれます。
感染した胎児には、流産・死産、脳や聴力障害などが生じることがありますが、症状も障がいの重さも様々です。そして、お母さんから赤ちゃんへ感染しても何も症状がないこともあるし、生まれた時は問題がなくても、成長するにつれて症状が出る場合もあります。何らかの症状がみられるのは感染児の10-30%程で、特に重要なものは進行性の難聴です。
妊娠中の女性が気をつけなければならない感染症を「TORCH(トーチ)症候群」と言います。Tはトキソプラズマ、OはOther(その他)でリンゴ病の原因となるパルボウイルスや梅毒、Rは風疹、Cはサイトメガロ、Hはヘルペスを指します。
それぞれ妊娠中に初感染すると、赤ちゃんに先天性の障害を発生させる可能性がある感染症です。
感染を予防するには?
サイトメガロウイルスの先天性感染症に対して、今のところ『治療薬』、感染を防ぐための『ワクチン』がありません。ですから、お母さんが妊娠中に感染しないよう自分自身で気をつけていくことしか予防法がない現状があります。
サイトメガロウイルスは、感染したお子さんの唾液や尿にでてきます。実は、妊婦さんにおいて、サイトメガロウイルスの主要な感染経路は、第1子を含む『周囲のお子さん』です。そのため、保育士さんや幼稚園教諭など小さなお子さんに係る職業の方も注意が必要です。
日常の予防法としては、新型コロナウイルス感染症予防でも推奨されていると思いますが、石鹸を使った手洗いや、アルコール消毒液による手指消毒をすることです。
上のお子さんもお母さんにはかけがえのない存在ですよね。これまで通り、愛情を持って接して、日常生活の予防を徹底していきましょう。
CMVの感染を予防!ワクチンの開発が進められています
そのような状況の中、サイトメガロウイルスの感染予防のため、治療薬の開発が進められています。
地域は限られますが、例えば北海道札幌市では、無料でサイトメガロウイルスの抗体を血液検査で調べることができます。
特に道内にお住まいの、将来のご結婚、ご出産を希望されている方、小さなお子様と接するお仕事をされている方は、是非この機会に、検査を受けてみてはいかがでしょうか?
治験モニター募集中
北海道札幌市白石区のクリニックでサイトメガロウイルス抗体検査&ワクチン接種治験モニターを募集中です。
サイトメガロウイルス抗体検査&ワクチン接種治験モニター詳細・お申込
※治験モニターへの参加はご自身の判断でお願いします。リトル・ママおよび株式会社エンファム.が検査やワクチン接種を推奨・保証するものではございません。
サイトメガロウイルス感染対策 公式サイトはこちら↓
吉岡幹朝 医師
<卒業大学>
北海道大学 平成4年卒
<専門分野>
小児科一般
感染症
<資格>
日本小児科学会専門医
子どもの心相談医
<所属学会>
日本小児科学会日本小児感染症学会
日本感染症学会
日本アレルギー学会
アメリカウイルス学会 他
<略歴>
平成4年3月 北海道大学医学部卒業
平成10年4月 北海道大学小児科 感染症グループにて研究に従事
平成14年10月 室蘭日鋼記念病院勤務
平成15年4月 千歳市民病院勤務
平成16年4月 St.Jude Children’s Research Hospital(テネシー州)、及び Penn State Milton S. Medical Center, College of Medicine(ペンシルベニア州)にてEBウイルスの研究に従事
平成20年4月 KKR札幌医療センター勤務
令和2年9月 ひばりが丘こどもクリニック 開院
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